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違法収集証拠

刑事裁判でも民事裁判でも,裁判というものは法律に従って行われます。

ですから,裁判を行ううえで法律を知っていることは必須です。

例えば,刑法第204条には,「人の身体を傷害した者は,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。

この場合,ここでいう「人」とは何なのか「身体」とはどの範囲なのか,「傷害」とはどういう行為をさすのかといった法律の解釈論というのは確かに重要です。

たとえば,殴って血が出るような怪我をさせたことが「傷害」になるのは当然として,寝ている人の髪の毛をハサミでそっと切り取った場合には「傷害」になるのかどうかというような話は,法律の解釈論として実際に議論されることがあります。

しかし,実際の裁判でこれらの法律の解釈論が主たる争点になることはむしろまれです。

法律の知識が豊富な方が裁判に勝つわけではありません。

実際の裁判では,多くの場合,法律知識よりも,実際にその法律が今回の案件で適用されるのかどうかという事件の事実関係が問題となります。

上の例でいえば,「誰かが被害者を殴って怪我をさせたのは確かだけれども,誰が殴ったのか分からない」というような場合が,事実関係が問題になっている場合といえるでしょう。

そして,事実関係が問題になった時に裁判官の基本的な考え方は,極めてシンプルです。

「証拠を出してください。」

この一言に尽きます。

例えば,Aさんが被害者を殴ったかどうかという事実関係が争われているのであれば,事件直後にAさんの拳の骨にひびが入っていたということを病院の治療記録等から説明したり,目撃者を呼んできたり,Aさんの自白をとったりといった証拠を出してくれてということです。

このように,裁判で何か事実関係争われた時の一番の勝負は証拠の有無と,その証拠がどれだけ信用できるかというところです。

だからこそ,裁判を始める前に警察や検察は必死になって捜査をして証拠を集めるのです。

しかし,証拠というものが裁判で非常に重要な役割を演じるからこそ,いきすぎた証拠収集が捜査機関によって行われてしまう事があります。

極端な例でいえば,殴る蹴るの暴行を加えて無理やり犯人に自白させたり,適切な手続きを踏まずに容疑者の家に進入して家宅捜索をしたり,適切な手続きを踏まずに容疑者の会話を盗聴・録音したりというような事例が考えられます。

このような法律に反するような悪質な方法で証拠が収集された場合にまで,これを裁判所が証拠と認めてしまうと,違法な捜査が助長されてしまう恐れがあります。

そこで,証拠収集のプロセスの違法性があまりにも大きなもので,裁判所が,これは見過ごすわけにはいかないと判断した場合には,違法に収集された証拠は,裁判手続上証拠として扱う事が出来ないことになっています。

どのような場合に証拠が違法収集証拠として裁判手続きから排除されるかは案件によって様々です。

東京やその周辺で刑事事件でお困りの方は,お気軽に弁護士法人心 東京法律事務所の弁護士までご連絡ください。

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